身体の使い方が不器用な息子は、幼稚園の体育の時間にだけ構成される園長組になることが多かった。
ただでさえ水が苦手なうえにスパルタの指導を受け
あ、やっぱりそうなっちゃう?
他の子も怖くて大泣きしてたっけ。
ということで、楽しく泳ごうを掲げているスイミングスクールの体験教室に行くことに。
楽しく参加できていたので、そのまま週1で通うことに。
夏休みには、決まった金額を支払ったあとは何回泳いでもオッケーなフリーコースがあったから、「行けば行くほどお得になるじゃないの~」ってことで、目が¥マーク化した私は毎日連れて行った。
やり続ければ上達速度に個人差はあっても、必ずその子なりに成長するもの。
おかげであのころは腹筋が筋肉で割れていたっけ’(過去形)。
あるとき、泳ぎ終わって更衣室で着替えているときに、1人の男の子が泣いてるのに気づく。
お父さんがその子に言い聞かせていた。
どうやら水着に着替えるときにパンツを履いたまま水着を着てプールに入り、履いていたパンツが濡れてしまったから、お父さんは濡れたパンツを脱がせて帰ろうとしているけど、その子は脱ぐのをとても嫌がって、どうしても脱げずにいるみたいだ。
慣れないうちに焦って水着に着替えたりすると小さい子はやっちゃいがちだよね…と思っていると、その子が後ろを向いた。
その子のパンツの後ろは
残っている布がほとんどなくて、ほぼお尻が見えている状態だった。
なんだか切ない気持ちになって頭に残っていたので、夫に話してみる。
普段着替えとかさせたことのないお父さんだったのかもれない。
すると
横でテレビを見ていた夫が何気なく言った。
目から鱗だった。
普段、独自の持論が個性的すぎて共感できないことの多い夫だけど、私にはない視点で物事を捉えるから、他の人との会話ではないような、はっとするような気づきを与えてくれることも結構あるのだ。
そういえば
あの男の子は初めてのプールだったのかもしれない。
もしくはプール自体が怖かったのかもしれない。
そんな不安のなか安心したくて、自分が一番落ち着く下着を履いて行ったのかも。
なんなら、水着になるのが不安だから、あえて下着を履いたままプールに入ったのかもしれない。
自分の中の狭い常識だけで判断してはいけないんだ。
自分の考えが凝り固まらないよう、いろんな人の考えを聞いて、柔軟に考えられるようにしておこうと改めて思った出来事だった。